コラム
発明の価値
時々「何で特許なんか取って囲うんだ!」「せっかく良い技術なのに、特許のせいで広まらないじゃないか!」という声を耳にします。
囲うも何も、永い間 誰にも創られなかった技術。私が創っていなければ、今もまだこの世に無かった訳で、お門違いも甚だしい意見です。〝新しいものを創り出す価値〟を理解出来ない、理解出来ないから尊重出来ない、残念な人です。
「教わって、理解して、覚える。」「覚えたこと(インプットしたこと)をアウトプットする。」という、単純作業しか知らない人ですね。
加えて言うと、“発明の価値=開発に掛かったコスト(費用や時間)”だと考えている人が居ること、これも残念です。
もの創りは「とにかくトライアンドエラーだ!」という考え。ひらめきや思いつきで、あとはとにかくやってみて、幾多の失敗を繰り返す。その失敗の数や時間が多いほど「成功したときの価値が高い」と考えるのは、とてもナンセンスです。
発明の価値は「どれだけ高い利便性を、どれだけ多くの人が享受できるか。」です。もちろん、そんな物を創りたいとは、誰もが思っています。だけど簡単には創られない。つまり難しいから「失敗を繰り返しながらやるしかない…。」という発想に行き着くだけで、失敗の数には何の価値もありません。求められる物を提供出来たことにこそ、価値があるのです。